ラーメン屋開業に必要な資金と準備を徹底解説!
飲食店の中でも店舗数が多いラーメン屋は比較的に開業しやすいために、飲食店を運営する経営者の中でも人気が高いです。またラーメンは味にこだわって他と差別化を図れるため顧客を獲得しやすく、店舗運営を継続しやすいのも人気の理由のひとつです。そこで今回はラーメン屋開業に必要な準備と開業にあたって必要な費用を詳しく解説いたします。
1ラーメン屋を開業するために必要な準備
ラーメン屋の開業に物理的に必要なものは資金、店、人、資格、許可の5つです。物理的に必要なものの他に、競合との差別化を図るためにターゲットの選定を行う必要があり、店をオープンさせる前に準備しておく必要があります。
1-1資金調達
ラーメン屋は飲食店の中でも比較的自己資金が少なくても開業できるため、人気の業種です。しかしながら自己資金が0では、開業できたとしても経営を続けることが難しいでしょう。資金調達は必須です。初期費用は借りる店舗やその工事などで大きく変わります。東京の立地がよいところに店舗を借りると家賃は高いですが、郊外や立地が悪いところに借りると立地がよいところよりは安くすみます。
一般的に飲食店開業する際にかかる初期費用は900万円から1,200万円ほどかかります。銀行から融資を受ける場合でも初期費用の3分の1は、自己資金を用意しておくとよいといわれています。自己資金をある程度用意しているほうが、融資の審査も下りやすいからです。
地方銀行・信用銀行の場合は厳しく、担保やこれまでの実績がない場合は融資を受けることが難しいです。個人で一から開業する場合に融資を受けるのは厳しい可能性があります。一方、日本政策金融公庫や自治体などの助成金・補助金制度は審査のハードルが比較的低いです。日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用したら、創業資金総額の10分の1以上の自己資金だけで融資を受けられる可能性があります。資金が少ない方や個人の方は、融資が比較的に受けやすい日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用するとよいでしょう。
1-2店舗
ラーメン屋を開業するために店舗は必要です。場所がなければラーメン屋を開けません。店舗には、新しく店を1から作る方法と前のテナントが使用していた設備が残っている居抜き物件を借りる方法があります。前のテナントが飲食店なら、大幅に改装や工事を行う必要がないため、安く店舗準備が行えます。資金が少ないのなら飲食店の居抜き物件を狙うとよいでしょう。
新しく店舗を作る場合は、物件を取得し、内外装工事、新たに厨房設備の導入など1から飲食店に関係する設備を導入する必要があります。導入する設備によって大きくかかる費用がかわります。
またお客さんの流入を考えて店舗の立地を考える必要があります。車の来客がメインのターゲットとするのなら、大きな幹線道路沿いに店舗を借りるとよいでしょう。またその際は看板を大きく派手にするなど遠くから車を運転していても目に付く看板を作成するとよいでしょう。徒歩で来るお客さんをターゲットにするなら駅近の徒歩で行ける範囲内で店舗を借りる必要があります。居酒屋がたくさん並ぶ飲み屋街にラーメン屋を作っても、最後の締めに食べたくなる顧客の心理を狙うのもよいでしょう。立地によって売り上げを左右するため、ターゲットを絞ってどこに店舗を出すかを考えましょう。
1-3採用
ラーメン屋を開業にあたって最初にやるべきことは、家族や周りの人に相談して同意を得ることです。同意が得られれば、家族に手伝ってもらうこともできます。ラーメン屋の開業は他の飲食店よりも開業しやすいといっても、やること自体は他の飲食店とさほど変わらず、大変です。周りが手伝ってくれるのとくれないでは大きく異なるでしょう。人を採用するにしても採用までに少し時間がかかるため、ラーメン屋開業準備始めは家族や周りの人に従業員として働いてもらうのもひとつの手です。開業準備から調理、接客のすべてを一人だけで行うのは無理があるでしょう。お客さんがたくさん来る人気店になったらなおさらです。行く行くは従業員を雇う必要がありますが、従業員を雇うと人件費が発生します。お客さんが来なかったとしても、人件費を支払う必要があります。開店前でどの時間人が必要なのかを把握していないため、忙しい時間帯と人手がほしい時間帯がわかってから募集するのもよいでしょう。
1-4食品衛生責任者と飲食店営業許可
ラーメン屋の開業には特別な資格は不要ですが、免許として下記の2点が必要です。
食品衛生責任者
飲食店営業許可
これらはラーメン屋だけでなく、飲食店を開くときに必要になってくる免許です。これらのどちらもがなければ、飲食店を開業することはできません。
「食品衛生責任者」は食品の製造・販売を行うために必要な免許です。調理師や栄養士などの資格を持っている方はすでにこの免許を保有しています。従業員で食品衛生責任者の資格を持っていたら、新たに免許を取得する必要はありません。新たに食品衛生責任者を取得する必要がでても、取得までのハードルは低く、難しくはありません。保健所が実施している6時間程度の講習を受けるだけで、取得できます。
飲食店を開業するにあたって保健所からの許可が必要になってきます。これが「飲食店営業許可」です。食品衛生法で定められており、一般的な飲食店をオープンさせるときに必要な許可です。もちろんラーメン屋の開業でも必要です。
また宗教人数が30人を超える店舗の場合は、併せて「防火管理者」の資格が必要です。取得までに時間がかかる場合もあるため、必要な資格は開店準備も初期段階で確認し、取得しましょう。
2ラーメン屋開業に必要な費用
ラーメン屋に開業に必要な費用は大きく分けて、初期費用とその後の運営費です
2-1ラーメン屋開業に必要な初期費用は?
ラーメン屋を開業する店舗や取り入れる設備などで異なってきますが、ラーメン屋開業の初期費用は1,000万円~1,500万円ほどかかるでしょう。初期費用の内訳は、物件取得費、内装工事費、厨房設備費、資格免許取得費、広告宣伝費です。
居抜き物件でなく新規に店舗を取得すると、電気や水回り工事など複数の内装工事が必要になってくるため、費用が高くなります。居抜き物件を利用したら、しなくてもよい内装工事があるため、費用を抑えられます。
ラーメン屋や飲食店を開業する場合は、業務用のコンロや冷蔵庫、大きい寸胴、茹で麺機などさまざま厨房設備が必要になってきます。これらも1から揃えようとすると300万円ほどかかります。また油を大量に使用する可能性があるラーメンで気をつけないといけないのは、地域によっては下水道に直接油が流れることを防ぐ設備である「グリーストラップ」の導入が義務づけられています。開業前に義務づけられているどうかを確認しておきましょう。
2-2 1ヶ月のラーメン屋の運営費用
ラーメン屋の1ヶ月の運営資金は500万円ほど必要だといわれています。これは売り上げが600万前後の店舗で計算した場合です。運営するのには人件費、賃貸料、原材料、水道高熱費、広告宣伝費などがかかります。店舗の大きさやお客の数などで金額は大きく異なります。
目安としてはラーメン屋における人件費は1ヶ月の売り上げの2割から3割程度に、原材料は1ヶ月の売り上げの3割ほど、賃貸料は1割ほどに抑えるとよいといわれています。
3まとめ
ラーメン屋を開業するのに必要な準備を費用について解説しました。ラーメン屋は他の飲食店よりも出店へのハードルは低いです。しかしながら何も考えずに出店していては、後に何をすれば良いのかわからず困ることや運営が上手くいかない可能性が高いです。人気店はターゲットを上手く絞るなど事前に考えている店がほとんどです。事前にしっかりと準備をし、ご自身のラーメン屋も人気店にしましょう。